脚本・演出から

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〜「Aventure」に寄せて〜

 

いまの世界は、他者と繋がりがない人間が生きていくには少し難しい社会なのではないかと思っています。

 

誰かから認識され、人間として尊重され、それを自覚できてやっと、少しまともに生きていける。

そうした他者との繋がりがない人にとって、自分のことを大事に生き続けるのは至難の業です。痛みを感じない人が、熱々に熱せられた鉄球を持つことができてしまうように、つながりを失いつつある人々は、他者や社会からのどんな視線も厭わなくなり、やがて、「無敵」の存在になってしまうのではないかと考えています。

 

そうして生まれた、「無敵」の存在は、権力的にも身体的にも、相手の強さとは無関係に他者や社会を攻撃し、自分自身の存在を立証しようとする。

そうした攻撃をとおして、自己の存在を認識させ、社会から忘却されてきた過去の自分を焼却させると同時に、新たな存在として、あたかも生まれ変わって生きようとする。

 

そうした、社会から忘却された人々によって他者への加害が繰り返される世界社会について考えながら、この戯曲を書きました。

 

実生活を生きていて、やはり圧倒的に女性は弱い存在です。

これまでに起こった多くの事件では、（もちろん、すべてではないにしても）加害の大半は女性を弱い存在とした価値観や行動によって、多くの女性が犠牲となっています。

 

とはいえ、加害を受けているのが女性だけではないし、また、私は男女二元論で物事を語りたくはないのですが,,,

 

こうした社会でどう死なないでいるかをずっと考えています。

そんなことを考えて、演出をつけています。

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2022.12/5(月)

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